日本の一次エネルギー比率は石油・天然ガスで66.3%を占める
日常、利用するエネルギーの比率がどうなっているのか調べてみました。石油の専門家として三井物産で活躍した岩瀬昇氏の著書「石油の埋蔵量は誰が決めるのか?」に詳細が乗っています。
石油は埋蔵量の心配こそ減っているものの価格面・安全保障面・環境面ではデメリットのあるエネルギーであることに変化なし。
日本の太陽光を含めた再生可能エネルギーの比率はまだ小さく、石油やガスといった化石燃料の割合が多いことが判明。
日本の一次エネルギー比率(BP統計集2014)
電気・ガソリンといった日常的に利用するエネルギーは二次エネルギーと呼ぶ。この二次エネルギーを作り出す素材が一次エネルギー。
エネルギー | 2013年 | 2010年 | 10年(世界) |
---|---|---|---|
石油 | 44.1 | 40.2 | 32.9 |
天然ガス | 22.2 | 17.0 | 23.7 |
石炭 | 27.1 | 24.7 | 30.1 |
原子力 | 0.7 | 13.2 | 4.4 |
水力 | 3.9 | 3.9 | 6.7 |
再生エネルギー | 2.0 | 1.0 | 2.2 |
単位:%
出典:石油の埋蔵量は誰が決めるのか?(BP統計集2014)
東日本大震災後に原子力の比率が大きく下がり、石油・天然ガス・石炭といった化石燃料の割合が大きく上昇。太陽光発電を筆頭とする再生可能エネルギーは倍増したものの比率的にはごくわずか。
このように、日本は、一次エネルギーとして化石燃料に大きく頼っています。
太陽光発電は、日照量で発電量の有無が左右されるデメリットがあるため、エネルギー源の主役にはなれない状態が今後も続くでしょう。しかし、家庭用の電力エネルギーとしてのメリットは大きいため、今後も普及していくと考えられます。
エネルギー消費の割合
次にこの膨大なエネルギーがどこで消費されているのかを見てみましょう。
- 民生家庭:14.2%
- 民生業務:19.6%
- 運輸旅客:14.5%
- 運輸貨物:8.9%
- 産業:42.8%
エネルギーを最も使うのは、やはり産業界。家庭で使うエネルギーは14.2%。今後の世界経済を見ても運輸及び産業用の伸びは大きい。
産業用電気の大敵はなんといっても停電。東日本震災時の計画停電でどれだけ産業界が悲鳴を上げていたか覚えている方も多いはず。
また、二次エネルギーの代表格である「電気」は、発送電時のロスが大きいことでも有名。投入エネルギー43%に対して最終エネルギー消費としては24%にしかならない。
つまり、節電や太陽光など再生可能エネルギーの充実に加えて送電網の充実や技術革新などで、ロスを小さくすることも大切なこと。
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