ドイツは、太陽光発電など再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)を2017年から廃止
ドイツ政府は2016年6月8日にベルリンで開いた閣議で、再生可能エネルギーで発電した電力を電力会社が20年間買い取る【固定価格買取制度】を原則、来年から廃止すると決定。
ガブリエル経済・エネルギー大臣は、時代に合った制度に見直す必要があるとして、来年以降の電力は、市場価格に近い値段での買取を示唆。
これで、太陽光発電を含む再生可能エネルギーを作れば、政府(電力会社)が、長期間、固定価格で買い取るバラ色の時代は、ドイツが一足先に終りを告げました。これからは、発電に向いた地域・場所なのかを厳密に精査して採算の合う発電設備のみ設置していくことになります。
もちろん、ドイツだけでなく、日本もいずれ、固定価格買取制度(FIT)は廃止されるでしょうから、設置を検討している方は早めに決定した方がお得です。
ドイツは、太陽光発電が普及しすぎて固定価格買取制度(FIT)が持たなくなった
<スポンサーリンク>
ドイツは1991年にFITを導入し、2011年末の導入量が風力発電で約2900万kW、太陽光発電が約2500万kWと、発電量の中で大きなシェアを占める結果になりました。それは、国民負担を増すことに繋がり、再生可能エネルギーを持てる者と持たない者の格差議論にも発展する程。
そのため、2013年頃から固定価格買取制度による負担増から廃止や見直し論が持ち上がり、ドイツについても2017年の廃止=見直しは規定路線でした。
ドイツでは、夫婦と子供一人の標準家庭での買い取り額の負担が年間3万円に達するほど電気料金が上昇したために、再生可能エネルギー導入法が改正され、FITが原則廃止され、今後事業用太陽光発電設備からの電気は市場で売却されることになった。WEDGE
欧州では、明らかに他の電力より有利な買取価格から、太陽光発電事業への参入が増え、発電量が増加しすぎて制度は持ちこたえられなくなっていた。スペインでは電力会社の破産や訴訟、イタリアでは一時制度の適用を中止、ドイツは2017年から廃止と混乱を極めた。
日本でも都内の一等地と地方の空き地では、不動産価格が天と地ほど、違うのに、再生可能エネルギーの買取価格は同じ。ならば地方の空き地や駐車場にどんどんソーラーパネルが煌めくことになりましたね。個人が自宅の屋根に設置するのは可愛いもの。
事業者である以上、採算性の高いビジネスに参入するのは当たり前。補助金やFITを上手く活用して、利益を上げるのは当然の行為ですからね。
日本もいずれ、見直しされることはあるにしても、すでに制度に加入している分に関して、途中で買取中心はないと思います。あくまでも固定価格で買い取ってくれるはず。
さらに、太陽光発電が無くなるわけではなく、高値で買い取り過ぎた価格の見直しを行うことが主旨で再生可能エネルギーの割合が増えていく可能性は引き続き高いと言えるでしょう。
FIT継続で2030年再エネ50%を実現するドイツ:日経ビジネス
関連記事
- 平成25年度の固定価格買取制度は10kW未満が38円
- 原子力発電を全廃し、再生可能エネルギーに賭けるドイツの試み
- 再生可能エネルギーの買取制度:風力・水力・地熱も固定価格
- 再生可能エネルギーの開発期間目安:高価格への批判
- 再生エネルギーの買取に登録制度を導入し電気代を軽減