レドックスフロー電池による長寿命蓄電池の実用化
太陽光発電は、日光のあたる昼間しか発電できないという欠点があります。
もし、昼間に発電した電気を蓄電できればあいがたいですね。
携帯電話にはリチウムイオン電池が利用されているように、充電・蓄電する機能もあるのですがまだ完全なものはできていません。
住友電気工業が、工場やメガソーラー用に超寿命蓄電池を実用化したとのニュースがありましたのでご紹介いたします。
レドックスフロー電池
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バナジウムの電解液をポンプで循環しながら充放電を行う電池。
携帯電話などに組み込むほど、小型するのは難しいながら、大型化しやすく、数メガワットのメガソーラー向けの商品を販売する。
2014年度に販売開始予定で、太陽光発電システムを組み合わせた販売価格は、5メガワツト時で10億円強とのこと。
なお、携帯電話には小型でパワーの大きいリチウムイオン電池が充電池として利用されています。リチウムイオン電池の基礎知識
主な大型蓄電池の特徴
電池 | 鉛 | ニッケル水素 | リチウムイオン | ナトリウム硫黄 | レドックスフロー |
寿命年数 | 17年 | 5~7年 | 6~10年 | 15年 | 15~20年 |
充電限度 | 3150回 | 2000回 | 3500回 | 4500回 | 無制限 |
導入費用 円/キロワット時 |
5万円 | 10万円 | 20万円 | 4万円 | 数万円 |
特徴 | 安価で生産技術が確立 | 燃えにくく劣化しにくい | 蓄電容量が大きく、急速充電可能 | 安価で省スペース化ができる | 大型化でき安全性も高い |
課題 | 重く小型化が難しい | 重く小型化が難しい | 材料が高価。異常高温のトラブルあり | 運転時に300℃以上の高温が必要 | 高価なバナジウムを利用 |
2013年4月16日:日経新聞より
●レドックスフロー電池などを用いた住友電工のマイクロスマートグリッド実証システムを紹介した動画です。
レドックスフローの長所
寿命が長い。
室温での動作が可能。
大型化が可能
爆発・引火性が低く安全性が高い。
レドックスフローの短所
原料のバナジウムが高価。
充電効率が低い。
利用例
●イスラエルのEnStorage社が50 kWのレドックスフロー電池を系統網に接続
今後、この蓄電池分野の開発が進めば、エネルギー問題も少し楽になります。太陽光発電の昼間しか発電できないという欠点を補ってくれますね。
小型のリチウムイオン蓄電池で家庭用太陽光発電システムもこれから技術が進んでくることを期待します。
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