化石燃料と原発から撤退するダイベストメントとは?
化石燃料及び原発関連企業からの撤退を求める運動としてのダイベストメントの動きが拡大しつつあります。エクソン・モービルやガスプロムなど石油・石炭・天然ガス会社に投資しないという活動。
ダイベストメント=投資撤退とは、投資=インベストメントの反対で、非倫理的・非道徳的な企業に投資しない。保有している場合は売却するという運動です。
特に、化石燃料からの投資撤退についてを意味します。日本では、350.orgjapanという団体が活動中。
化石燃料は、気候・水・土地などに悪影響を与えることから、再生可能エネルギー(太陽光発電・風力)を活用していく流れの心強い見方になりそうですね。
ダイベストメントの成功例
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米国のスワースモア大学から2011年にはじまった運動。
成功例として有名なものをピックアップすると・・・南アフリカのアパルトヘイトが撤廃されたのが、1994年ですから、ダイベストメント的な活動自体は随分昔から行われていたことになりますね。
- 南アフリカのアパルトヘイト撤廃キャンペーン
- たばこ会社(喫煙の害)
- ダルフール紛争(スーダン西部での紛争)
化石燃料からの投資撤退(ダイベストメント)
ノルウェー・スウェーデンの年金基金、大学、銀行、財団など多くの機関投資家がこの運動に参加しており、保有資産額は、3兆4000億ドル(約420兆円)に達するとのこと。
また、化石燃料からのダイベストメントを行うことは、投資収益を向上させる点でもプラスに働くとの調査結果も出ています。
例えば、米国の4大石炭会社の市場価値は2015年の間に9割減少し、米最大手のArch石炭会社は2016年1月に、世界最大の石炭会社Peabody Energyは2016年4月に、それぞれ連邦裁判所に破産申請した。同じ1月には米格付け会社のムーディーズが120の石油ガス会社と55の石炭会社の格付けを下方修正し、シンクタンクのMercerは石炭関連産業の利益は今後35年間で18〜74%(GHG排出経路に依存する)減少すると予測している。監査法人のDeloitteも、2016年2月に世界の石油ガス会社の約3分の1が破産寸前にあるという報告書を出している。エナジーデモクラシー
特に、対象としている企業は、石炭・石油・天然ガスを扱う200社。
世界トップ5の石炭会社
- Coal India (コール インディア)
- Shenhua Group(シェンファ グループ)
- Adani Enterprises(アダニ エンタープライズ)
- シャンジ コーキング カンパニー
- BHP Billiton(ビーエイチピー ビリトン)
世界トップ5の石油ガス会社
- Gazprom(ガズプロム)
- Rosneft(ロズネフト)
- PetroChina(ペトロ チャイナ)
- ExxonMobil(エクソン モービル)
- Lukoil(ルコイル)
二酸化炭素の濃度を350ppm以下に!
ダイベストメントで登場する350という数字は、二酸化炭素濃度をしめしています。
現在の400ppmという濃度は安全な範囲を超えていて、大規模な氷床・永久凍土の崩壊によるメタンガス放出を生じる可能性があるとの指摘に基づいています。
つまり、二酸化炭素濃度を350ppm以下に抑える必要があるということです。350org
太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーにとっては追い風になります。
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