主な太陽電池の種類:材料によって性能や費用が違う
太陽光発電の性能は、太陽光発電モジュール(ソーラーパネル)の性能に大きく左右されます。
価格・材質により発電効率が変わり、実用化されているものでもたくさんの種類があります。すでに商品化されている太陽電池モジュールについてご紹介します。
太陽電池モジュールとは
太陽電池モジュールは、住宅の屋根に設置して、太陽光が当たると電気が発生する設備で太陽電池の最小単位=セルを繋ぎ合わせて一枚のパネルにしたものです。
太陽光発電システムにおけるもっとも重要な部品(パーツ)の一つです。この太陽電池モジュールには、様々な種類があり、それぞれの特徴を分かりやすく比較していきます。
太陽電池の種類
太陽電池は、その中に用いられている材料で分類できます。おおまかに分けるとシリコン系・化合物系・有機系の3つに分類できます。
最も利用されているのがシリコン系、最近、増えてきたのが化合物系、開発中が有機系となります。
●太陽電池の分類図
太陽電池の材料別分類
●単結晶シリコン太陽電池:単結晶シリコン太陽電池とは、高純度のシリコン単結晶を基板として利用します。太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率(変換効率)は高い。古くから太陽電池として利用されていますが、生産コストが高い点が欠点です。
●多結晶シリコン太陽電池:多結晶シリコン太陽電池は、多結晶シリコンを利用した太陽電池です。シリコンの純度が多結晶より低いため価格が安いことが特徴です。変換効率は単結晶シリコンよりも低いものの価格面やエネルギー効率の点では優れています。
製造コストが安いため、太陽光発電システムにおいて主流の太陽電池となっています。
●アモルファスシリコン太陽電池:アモルファスシリコンという素材を利用した太陽電池です。シリコンの薄い膜をガラス基板などに蒸着させて作ります。結晶型のシリコンと比べて高温時の出力低下が少ないという利点があります。
低コストですが、結晶型シリコンより変換効率が低く、太陽光で劣化しやすいのが欠点です。電卓などの太陽電池としてよく使用されます。アモルファスシリコン太陽電池と結晶シリコン太陽電池を組み合わせたハイブリッド型(HIT太陽電池)なども実用化されています。
●化合物系太陽電池:シリコン以外の無機化合物を用いた太陽電池です。銅・セレン・インジウム・ガリウムなどを使用します。シリコン系より発電効率は低めです。現在、研究開発が進んでおり、低価格化による普及が期待されています。
●有機系太陽電池:シリコンや無機化合物ではなく、有機化合物を用いた太陽電池です。まだ、住宅用太陽光電池として商品化はされておらず、次世代型として開発を勧めている段階です。
太陽光電池の技術進歩はめざましく、ここにあげた特徴が当てはまらなくなる日も近いかもしれません。
●単結晶シリコンと多結晶シリコンのちがい
単結晶シリコンは、高純度シリコンのインゴッド(塊)を薄い板にしたものに対して、多結晶はシリコンインゴッドの端材を利用するためシリコン純度が低く価格が安くなります。
下記の動画に出てくるのが、シリコン(ケイ素)インゴッドです。
●セル変換効率の目安(データ:カナディアンソーラー)
・単結晶シリコン:14~17%
・多結晶シリコン:12~15%
・アモルファスシリコン:6~9%
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