九州電力は、再生可能エネルギーを50キロワット未満の低圧について買取手続きを再開しています。
電力会社が事業者用新規申込を保留した件について、遅ればせながら、九州電力が復活したニュースをお知らせしておきます。日本の電力送配電網は大規模発電所からの大量輸送に適した放射型になっており、太陽光発電向きのシステムではありません。
補助金や固定価格買取制度の導入で一気に増加した電気供給を吸収できる仕組みではなかった。そのため、新規申込保留といった事態に追い込まれていたものの、2014年10月には50キロワット未満の低圧について買取手続き再開を公表しています。
九州電力は無事、再生可能エネルギーの買取を再開
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太陽光発電のメリットは、環境に優しくエネルギーを海外から輸入しなくて良いということ。逆にデメリットとして、夜間や天悪天候時に発電し難いという点があり、電力供給が太陽光に偏ると安定供給に支障をきたします。
例えば、冬の雨が降った寒い日をご想像ください。各家庭・工場・ビルで暖房をかけるために電気が必要なのに、太陽光発電の発電量が少ない状態。
辻川 英章(つじかわ ひであき氏「有限会社楽画企(らくがき)代表取締役」が分かやすく書いてくれています。
日本は、発電所で発電された家庭や工場へ送る放射型です。
欧米は、インターネットのように網の目のようなループ・メッシュ型です。日本は、大手10電力会社地域内で計画通り発電をし、停電が無い堅固な送電網です。
欧米は、広い大陸各所に発電所があり、隣の周や隣国とも電力を融通できる柔軟な送電網です。施設の省エネ
そのため、停止した買取手続きが再開しています。
九州電力は21日、再生可能エネルギーの買い取り手続きを中断している問題で、出力が50キロワット未満の低圧に関して買い取り手続きを再開すると発表した。対象は9月24日までに送電網への接続申し込みがあった約32万キロワット分で、大半は小規模な太陽光発電とみられる。政府も九電など電力5社に、再生エネの買い取り量を増やすよう求めており、電力各社は送電線への負担が小さい再生エネの受け入れを検討する。
九電は25日から買い取り手続きを再開する。9月24日までに申し込みのあった1185万6000キロワット分のうち、同一敷地内の高圧を細かく分けた「低圧敷地分割」を除く低圧32万1000キロワット分が対象となる。申込件数では6万6688件のうち、1万1129件分となる。
天候による発電量の急な増減を吸収できず、電力の安定供給に影響を及ぼす恐れがあるとして、九電は9月25日から送電網への接続申し込みの回答を保留している。ただ、太陽光発電の事業者からの反発は強く、九電が開いた説明会でも批判が出ていた。「国からも安定供給に支障のない範囲で対応するように要請を受けた」(九電)ことから、手続き再開を決めた。日経新聞
電気は現代社会の生命線です。こうして記事を書けるのもパソコンが電力で動いているから。
太陽光発電に限らず、電力を何か特定のものに依存すると大きなデメリットが生じます。
例えば、フランスは原子力発電に依存し、電力総生産量の80%を原子力でまかなった。原子力は、原子炉が継続的に電力を供給してこそ、経済的に成り立つ設計で動いている。
ところが、フランスの原発では、電力需要が落ちる週末に原子炉停止。ピーク時には供給力が不足するため、フランス電力公社は、割高な短期スポット市場での買電を行う事に。もちろん余った電力は売電できますが、週末は欧州全体で需要が少なめ。
一つの電源に頼ると需要に柔軟な対応ができなくなる。理想は多様なエネルギーを併用して、需給バランスを上手に調整すること。かつて、原子力開発の先進国・お手本だったフランスも苦しんでいることは良き教訓になると思います。
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