再生エネルギーの買取に登録制度を導入し電気代を軽減
経済産業省は、再生可能エネルギー固定価格買取制度を2017年度から、電力会社との契約成立を条件とする登録制へと変更する方向で検討を開始。太陽光発電の総額に上限を設けて、超えた場合は新たな買取を中止するなどで国民負担のアンバランス化を是正する目的。大きな変化が起きてきます。
認定制から登録制へと固定価格買取制度を変更
経産省の有識者委員会「総合資源エネルギー調査会」で6月中に議論を始めて2016年の通常国会で、再エネ特措法(再生可能エネルギー特別措置法)を改正する見通し。
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再生可能エネルギー設備は認定方式から登録制へ
現在:一定の要件を満たす再生エネ発電設備を国が認定し、発電した電力を固定価格で買い取る仕組み
変更後:電力会社との契約成立を条件とする登録制に。上限を超えれば新たな買取は停止。
事業者に発電データの提出やメンテナンスを義務付け、稼働状況を監視。既存の発電設備は登録制度に切り替え、電力会社と契約を結んでいない場合は、電力会社の都合によるものを除き、認定取り消し。これにより発電見通しが立っていないのに権利だけを取得する「空抑え」を防止。
太陽光発電に買取上限
再生可能エネルギーの導入は、太陽光にバランスが傾いているため、天候に左右されずに発電できる地熱などの開発を後押し。太陽光発電は、買取総額に上限を設け、超過する場合には新たな買い取りを打ち切ることを検討。
太陽光の買取上限は、2兆3千億円の水準を軸に検討。政府が示す2030年度の電源構成(ベストミックス)で、再生可能エネルギーを10%→22~24%に殖やす計画。再生エネの買い取り費用は最大で約4兆円。太陽光の買取費用は全体の6割弱で2兆3千億円程度の水準を試算しており、国民負担が膨らまないように上限を設置
日経新聞6月8日で報道。
地熱や水力に比べて、太陽光発電は導入しやすさというメリットを持つため、導入スピードが速い。一方、天候に左右されて発電量が一定しないというデメリットを持つために、再生可能エネルギーを増やす計画とともに、バランスの良い電源構成へと誘導する経産省の思惑。
また、固定価格買取制度による価格固定は、採算計画を作りやすく利益を出しやすいため、とりあえず権利だけを抑えておく空押さえが頻発したことも、登録制度導入の理由。
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