グリーンエネルギー革命で日本の環境戦略が変化
太陽光発電システムを設置する上での不安は、採算が取れるのか?一過性のブームではないのか?ということがありませんか。
ご安心ください、グリーンエネルギー革命という言葉をご存知でしょうか?
東日本大震災以後、日本のエネルギー戦略は、完全に変化しました。原子力発電・化石燃料(石油・石炭)を中心とした戦略から、グリーンエネルギー(省エネルギー・再生可能エネルギー)を中心に社会を変化させようという方向です。
以前と今後のエネルギー・環境戦略の違い
下記が、日本の1990年第以前そして90年代以降と現在のエネルギー政策の違いです。
1990年代以後は、化石燃料の地球温暖化・環境破壊・資源枯渇の点から原子力へと方向がシフトしました。しかし、大震災による原発の危険性がクローズアップされたことから、エネルギー政策に「安全・安心」という要素が加わりました。
そして、風力発電や太陽光発電といったグリーンエネルギーを活用する方向に政策が変化したのです。
その戦略を分かりやすく表示したのが下記です。(クリックで拡大します)
もちろん、これは、2012年11月現在の政権が考えることであり、政権交代が起きると太陽光発電重視から他のエネルギーへと政策変化もありえます。
ただし、東日本大震災による福島の原子力発電所の事故を体験した日本が、再び、原子力発電中心のエネルギー政策に戻ることは、いくら政権が変わろうと考えにくいことです。
グリーンエネルギー革命の具体的なポイント
グリーンエネルギー革命の具体的な内容は、政府および経済産業省が5つのポイントに分けて紹介しています。
1.太陽光発電などで自分で発電
家庭での太陽光発電システムの設置は増えており、新築マンションでも共用で設置するケースが増えています。2012年から太陽光で発電した電気の固定価格買取制度がスタートし補助金の充実で、さらに増えていくことが期待できます。
発電した電気のうち余った電力は電力会社に販売(売電)し、春や秋には電気料金がマイナスとなる(お金が貰える)こともあります。
2012年度の住宅用太陽光発電は、約150万kWの増加が見込まれています。
出典:グリーン政策大綱骨子
2.電力会社を自由に選べる
電力の小売り全面自由化が行われ、家庭におて、電力の小売りについては選べるようになりました。もちろん、現段階ではそこまで大きな選択権があるわけではありません。しかし、グリーンエネルギー革命による変化で、電力事業の新規参入や既存の電力会社の変化が起きてくる分野です。
電力の小売り完全自由化とは:電力の小売り市場を全面的に開放すること。日本の電力市場は長らく法律に基づいて独占であったが、2000年以降大口需要家市場から開放が進み、 2005年以降は契約電力50kW以上が自由化されている。残る50kW未満の、主として一般家庭などからなる市場を開放することにより、全面自由化が完了する。
3.節電して儲ける:電気の採算
電気は重要なライフラインですから、停電を避ける必要があります。そのためには、ピーク時に電力が足りるかどうかが大切です。電力会社の電力使用状況データ
一方、ピーク時に電気を止めないためにムダなこともたくさんあります。そのムダを減らすためにも、ピーク時の必要最大電力を「節電」により意識して減らすことが求められています。
電力の小売り全面自由化により「時間帯別電気料金」が普及していき、節電に協力すればするほど、経済的に利益を得られる制度が増えていきます=お金が貰える・支出を減らせます。
4.電気自動車は動く蓄電池になる
電気自動車やハイブリッド車が普及し、蓄電池の技術が発達していくと、自動車を電池代わりに利用できます。
夜間の電気料金は昼間より安いため、夜間に自動車を充電して昼間に売電することもできるかもしれません。太陽光発電システムを利用して充電することや非常時の電源としても利用可能です。
上手く、太陽光発電システムを設置したエコな家と蓄電池を装備した電気自動車をセットで利用すると自給自足も夢ではありません。
出典:グリーンエネルギーの社会
5.家や街がスマートになる
新築住宅やマンションには、太陽光発電システムが設置され、電気自動車用充電器が装備されるようになってきます。
さらに電気の配分を最適化するスマートメーターを家や街に設置したスマートハウスが増えています。
このような家がスマートハウスのイメージです。太陽光発電で自分で発電し、その電気をできるだけ効率良く使い、余った分は電力会社に売ります。
さらに、個人では難しくても自治体や地元企業が、小型メガソーラー・風車・小型水力発電を共同で設置することで観光資源・省エネ・採算を狙うこともできます。
6.新しい仕事や会社が生まれる
日本を覆う不景気・将来不安は、新しい仕事・面白い仕事が少なくなったことに一因があります。誰でも誇りを持って仕事をしたい・十分な報酬を得たいという気持ちを持っています。
グリーンエネルギー革命により、太陽光発電システムの設置や開発・スマートシティの開発や建設など社会に「夢と希望」があることは個人個人にも夢と希望をもたらします。
政府は、このグリーンエネルギー革命実現のためにグリーン政策大綱を公表しています。
映画:第4の革命 - エネルギー・デモクラシー
映画「第4の革命 - エネルギー・デモクラシー」の予告編です。
2010年ドイツで最も観られたドキュメンタリー映画で、13万人を動員する。さらに、日本の震災以後、ドイツのテレビ局でも放映され200万人が視聴し話題となり、ドイツが脱原発を果たすのに影響を及ぼす。
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